赤塚植物園とクリスマスローズ 伊勢みやび
私たち赤塚植物園は、伊勢のおひざ元三重県に所在を置く園芸専門の企業で、生産、育種、卸販売、小売事業と幅広い業務を行っています。
発足は、1956年(昭和31年)。庭木の大量生産から始まります。1964年(昭和39年)には洋ランの輸入生産、以降、観葉植物や鉢花を海外から輸入しての大量生産を行い、園芸植物の生産ノウハウや技術、海外の華やかな園芸感覚を磨いてきました。
そして、1967年(昭和42年)には、営利栽培において国内初の洋ランの組織培養に成功します。近年では育種にも力を注ぎ、平地でも元気に育つシャクナゲ「スーパーローディーシリーズ」や真夏の定番大型宿根草「タイタンビカスシリーズ」の開発をしています。
赤塚植物園は、これまでに培った経験と実績、組織培養や植物の育種開発などの高度な技術をもって、2010年よりクリスマスローズの組織培養と育種開発に乗り出しました。
早春になると店頭に並ぶたくさんの美しいクリスマスローズのほとんどが実生(タネで増殖した)苗で、親の性質を正確に受け継ぐことができていない中、組織培養で優良な性質を正確に引き継いだ赤塚植物園のクリスマスローズはすべてが本物です。
育種開発で誕生した美しいクリスマスローズたちを組織培養によって増殖し本物の性質をそのままお客様にお届けする。
それが、赤塚植物園の オリジナルクリスマスローズ 伊勢みやびシリーズ です。
伊勢みやびシリーズの
コンセプト
育種への想い
赤塚植物園 育種開発部 倉林雪夫
赤塚植物園ではクリスマスローズの持つ、落ち着いた気品と華やかさに注目し、「誰もが美しいと感じる花」をコンセプトに育種を進めています。
育種というのはふたつの親株を掛け合わせ、その両親より優れた花を作るために行うのですが、そのような花が咲くのはごくわずかで、実際には両親より劣るものがほとんどです。通常、バラやシャクナゲの育種であれば、そのような花はすべて捨てられてしまいますが、クリスマスローズに限って、そのような花も「オンリーワン」の名のもとに苗として販売されています。裏を返せば、優れた花が生まれても増殖するのが難しいため、苦肉の策として種から作られた実生苗が出回っているわけです。
しかし、赤塚植物園では、組織培養の技術によって同じ花を咲かせるメリクロン苗の計画的な増殖に成功し、優れた株の安定供給を可能にしました。
それが赤塚植物園オリジナルクリスマスローズ「伊勢みやびシリーズ」です。
①濁りの無い澄んだ色合い
色づくのはガク片なので濁った色が多いのですが、その濁りのない色合いを目指します。
➁しっかりとした花首
花首が弱く下を向いた花が多いのですが、しっかりと横~上を向いた花を目指します。
③花付きの良さ
小さな苗のうちから花が咲き、枝分かれが多く沢山の花を咲かせるものを目指します。
④整った花型
一重や八重それぞれに、花弁の乱れがない整った花型を目指します。
★クリスマスローズの系統~ガーデン・ハイブリッド
本来は12月頃に白い花を咲かせるヘレボルス・ニゲルという原種をクリスマスローズと呼びますが、日本ではその他のヘレボルス類をすべてクリスマスローズの名で呼んでいます。主にへレボルス・オリエンタリス(無茎種の原種)同士を掛け合わせたオリエンタリス・ハイブリッドが人気ですが、近年では交配親がオリエンタリスだけにとどまらなくなってきたことから、ガーデン・ハイブリッドとも呼ばれています。
かつては、下向きに花が咲き、濁った花色で花型の整わないものも多く、今ひとつ魅力に欠ける植物でしたが、品種改良が進み、濁りのない花色、丸い花弁、整った花形など、優れた花を咲かせるものが誕生するようになりました。
「クリスマスローズ伊勢みやびシリーズ」は、このガーデン・ハイブリッドの品種です。
伊勢みやびはメリクロン苗
メリクロン苗はクローン繁殖した苗のことです。特殊な技術で1つの細胞を何倍にも何万倍にも増やす方法です。種で増殖させる実生苗では、親の花とは異なる花が咲いたり、株の成長や耐病性なども変わってしまいます。
一方、メリクロン苗はラベルと全く同じ花が咲き、親の優良な性質を全て受け継いでいますので、美しい花を誰でも簡単に育てられます。
[クリスマスローズのメリクロン苗]
親の優良な形質をそのまま受け継いだ苗を育てることができます。
伊勢みやびの楽しみ方
赤塚植物園オリジナルのクリスマスローズ伊勢みやびシリーズは、露地植えでの栽培を特におすすめしています。 それは決して鉢植えに向かないという意味ではなく、選抜の中で”花が下を向かない”ような株を選んでいるため、露地に植えても美しく観賞できるからです。 それは「伊勢みやび」の名前のイメージを崩さないように、そこはかとなく恥ずかしげにこちらを向いているような、、、さながら大和撫子な花姿です。 また、クリスマスローズは鉢植えより露地植えでの栽培の方が手間が少なくなりますし、お花もたくさん咲いてくれます。
露地植えで咲くクリスマスローズ伊勢みやび
伊勢みやびシリーズを
育てる
クリスマスローズの基本的な育て方
▶植え場所、置き場所
落葉樹の下が最適ですが、夏の西日さえ避けられればそれほど神経質になる必要はありません。
▶肥料
肥料は生育期の10月頃~3月頃まで与えます。5月頃には肥料が切れた状態にします。暑い時期に肥料が効いていると枯れてしまうこともあるので注意して下さい。
初めて育てる方はクリスマスローズ専用肥料を使うと便利です。商品にもよりますが1ヵ月に1回与えるものが多いです。
▶水やり
[秋~春]
生育期は乾く少し前に水を与えます。水が十分なときは手のひら状の葉が上を向きピンとしていますが、不足し始めると葉先が下を向きます。秋~春にかけてはこのタイミングで水を与えます。
[夏]
乾くと株元の葉柄から倒れてきますが、暑い夏はこのタイミングです。
[時間帯]
冬は暖かい日中に、夏は涼しい夕方に水をやるのが基本。冬は暖かい時間に水を与えないと土が凍り、水を吸うことができません。反対に、夏は日中に水やりをすると暑さで土の中が蒸れ、根が腐ります。春と秋は夏冬を参考に、水をあげるタイミングを調節して下さい。
▶株分け・鉢増し
[株分け]
生育が始まる10月頃が最適。回復が早く、株へのダメージも少なく済むためです。クリスマスローズは宿根草なので年々株が増えていきますが、株が混みあうと生育が悪くなり、花も咲きません。 鉢の回りを木槌などでたたいて株を取り出し、包丁などでばっさりと切り分けます。このとき、古土や腐った根は取り除きましょう。 株分けができたら新しい用土で植込みます。専用土を使うのがおすすめ。
[鉢増し(鉢上げ)]
株が混みあっていない場合は鉢増しを行います。株分け同様、古い土や根を取り除き新しい用土で植え替えます。生育が早いので、二回りくらい大きな鉢を選びましょう。株元から新しい根を出すため、葉柄の付け根は土に埋まるようにしますが、株の中心を埋めると腐って枯れてしまうので注意します。
▶古葉切り
気温が10度を下回る11~12月頃に行います。ウィルス病伝染予防に刃物は消毒します。ビストロンなどの消毒薬もありますが、ライターなどの火であぶると簡単です。
クリスマスローズは、株の充実具合で春に咲かせる花の数や美しさに大きな差がでます。 そこで、クリスマスローズの生長に合わせタイミング良く肥料を与えることで、花がたくさん咲くように育てることができます。 クリスマスローズは、2~4月の間に株を充実させ、10月に翌年開花する花の元を作りますので、この時期にしっかりと効くように肥料を与えます。
伊勢みやびシリーズを
購入する
商品サイズ
★ラベル通りの花を咲かせる3.5号ポット苗
翌々春の開花見込みの3.5号ポット苗
定植後、翌々春の開花を想定した株(一作開花株)です。通常、メリクロン(組織培養)で仕上がったプラグ苗を1年養生して出荷します。メリクロン苗だからラベル通りの花を咲かせるので安心して育てられます。 購入後は、5号(直径15cm)程度の鉢に植え替えして、夏越しさせて晩秋に定植するとスムーズに栽培できます。※3号ポット:直径9cmです。
★開花見込み株の5号苗
翌春開花見込みの5号鉢
3号ポット苗を養生して、5号(直径15cm)ポットに植え替えた2~3年生の株です。ほとんどの株は、翌春には開花する開花見込み株です。もちろんラベル通りの花を咲かせます。 花後はそのまま定植できます。
取り扱い店
[販売期間:10月ごろ~]
株式会社 赤塚植物園が運営する園芸専門直売店 アカツカFFCパビリオンでご購入いただけます。
[販売期間:10月ごろ~]
株式会社 赤塚植物園が運営するECショップ 赤塚植物園オンライン花の音でご購入いただけます。