
はじめに


日本各地に
名所がたくさんあり、
うねるような枝に
豪華に枝垂れる花穂が印象的な
藤の花。
一つ一つの花の形をよく見ても、
マメ科特有の可愛らしいお花で、
優しい紫と白のグラデーションカラーが、
日本の伝統美を感じさせてくれます。
花穂の下をくぐった時に感じる
包まれる爽やかな香。
誰もが知る、
日本の伝統的な花の一つです。

もし鉢植えで、盆栽仕立てで
幼木の小さなうちから
開花を楽しめるような藤があれば、
ご自宅でベランダでも、玄関先でも
その日本の伝統美を
身近に感じていただけることでしょう。
そこでご紹介するのが、
「一才藤」です。
一才藤
(イッサイフジ)


▶一才藤の「一才」って?
園芸用語で
「一才物」という言葉があります。
「一才」の名は、若木のうちに
花や実がつきやすい植物に
対して使われます。
フジをはじめ、
サクラやサルスベリなどの花木類、
ユズ、キンカンなどのかんきつ類、
ザクロや山葡萄の果樹類などにも
使われます。
▶特長
若木のうちから観賞できることから、
盆栽や鉢物に良く使われ、
ベランダなど省スペースでも
十分にお花を楽しむことができます。
▶一才藤の栽培は簡単?
基本的に病害虫の心配はなく、
やせた土地でも栽培することができます。
▶一才藤の鉢植えのおき場所は?
春~秋は日当たり良く
風通しの良い屋外で管理します。
夏は西日を避け、半日陰に置きます。
冬は風、霜があたらない陽だまりがおススメです。
▶一才藤のみずやりは?
水を好む植物で、
乾燥してしまうと生育や花つきが
悪くなってしまいます。
鉢底から水が流れ出るくらいに
たっぷりと与えます。
乾燥する夏場などは、
朝夕2回、水を与えるとベストです。
水やりを忘れる心配がある場合は、
腰水にしてもよいです。
地植えにした場合は基本的には不要ですが、
夏場に乾燥しているようであれば、
朝または夕方以降に水遣りをします。

▶一才藤は室内でも観賞できるの?
基本的には屋外で管理しますが、
春~秋は2-3日間、
冬は一週間程度なら、
屋内でも管理することができます。
その際は、光が差し込み
冷暖房の風が当たらない場所に
配置します。

▶一才藤の楽しみ方はいろいろ
直接地面に植え付けせず、
鉢植えのままで栽培しても
充分に花を楽しめます。
また棚に仕立てず
鉢植えで中央に太い支柱を立てて
枝垂れさせるような仕立て方で楽しむと
場所を取ることなく、
美しいフジを楽しむことができます。
ベランダやお庭、
玄関先の省スペースでも
藤を楽しめる一才フジ。
若木の小さなうちから、
シャンデリアのように枝垂れる姿は
まるで自分だけの芸術品のようです。
小さな鉢で背の低い状態でも
しっかりと花芽を持ち
春には私たちを楽しませてくれる
ことと思います。


▶︎赤塚植物園オンラインでは赤塚植物園スタッフが厳選したおススメ植物たちをご紹介します